君・恋・スマイル~初恋~
「私は思音が好きだから!大好き、なの・・!」

涙があふれそうだ・・・。

泣きたいのは私じゃなくて思音なのに・・・。

「・・・・無駄。いまさら言われても無駄だよ。」

「・・・・。」

思音は切ないくらいに冷静に言った。

「真衣ちゃんが思音を好きでも思音は真衣ちゃんが嫌い。」

思音の目に、もう光なんてない。

「・・・真衣ちゃんなんか、消えてなくばっちゃえばいい‼」

そう言い放つと、思音は涙を流しながら走った。

「・・・・っ」

部屋に残された私は、1人泣いた。

もう、自分が嫌で嫌でしょうがなくて。

思音にこんな思いをさせてしまった自分が情けない。

「っ・・・うっ・・・・しおっ・・・・」

「真衣?」

私は、涙をぬぐって振り向いた。

「どうしたの?」

無理やり作った笑顔で言うと、そこにいたのは思音の好きな人だった。
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