君・恋・スマイル~初恋~

side思音

「凜くんっ!!」

思音は大きな声で大好きな人の名前を呼んだ。

「おっ、思音どうした?」

夕方の体育館で、凜くんはバスケットボールを持って立っていた。

窓からさしこむ西日が、凜くんを照らしてて、綺麗。

「練習してるの?」

「おぅ!やっとの思いで県代表になれたからな。」

凜くんはすごいなぁ・・・。

さっき県大会がおわったばっかりなのに、また練習して。

「すごかったよね、凜くん。」

思音が笑顔で言うと、凜くんは「そうかな」と小さく言った。

「うん!体育館走りまわって、ボール離さなかったじゃん。」

「そんなに褒めるなよ、照れる・・・。」

凜くん、赤くなっててカワイイ。

さっきまで、いっぱいゴールきめてカッコよかったのに。

「そういえばさ、真衣最近元気ないじゃん?なんか知ってる?」

真衣・・・。

その名前が出て、体がビクンと反応する。
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