君・恋・スマイル~初恋~
急に力が抜けて、床に座り込んでしまった。

こぼれたのは、涙。

・・・そして、本音。

「・・・バカじゃないの、凜くん・・・。」

ありがと。なんて、そんなの反則だよっ・・・!

「思音だって・・・凜くんじゃなきゃだめだよ・・・。」

すっごく、すっごく好きだった。

涙が出るくらい、嫉妬に燃えるくらい好きだった。

でも、もうわかっちゃった。

痛いくらいにわかったよ。

凜くんは、ただまっすぐに真衣ちゃんを見つめてるってこと・・・。

そんな凜くんに自分を好きになれなんて言えない。

「・・・思音?」

「・・・・。」

ふりかえらなくても声でわかる。

小さなころからずっと聞いてる、明るくて元気な・・・。

幼なじみで大親友のあの子の声。

「真衣ちゃん・・・・。」
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