君・恋・スマイル~初恋~
「思音・・・。」

ちゃんと言ってくれって言おうとしたら、思音が口を開いた。

「本当の本当に何もっ・・・・。」

ついに黙ってしまう。

笑顔はすでに消えていた。

彼女の笑顔を消すほどのことが、あったんだ。

「オレに、教えて?」

思音は何秒か沈黙して、ついに言う。

「あのね、凜くんに告白したんだ。」

「・・・・っ。」

思音が凜に・・・。

胸がきりっと痛んだ。

「そっか・・・。」

「えへへ。けど・・・」

空を見るその目は濡れていて。

涙がこぼれないように頑張る姿が・・・。

けなげでいとおしくて、抱きしめたくなる。
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