【短編】Little Kiss Magic 2~秘密と嫉妬~
「僕がどんなに君が好きか分かるかい?君を護るためなら…君が笑顔でいてくれる為なら僕はどんな事でもするよ。君の事が誰よりも好きなんだ。」

「あたしも…廉君が大好きなの。あなたの瞳にはあたしだけを映して欲しい。我が侭かもしれないけれど…廉君が見つめるのはあたしだけであって欲しいの。」

「僕はいつだって君しか見えていないよ。僕の内面を好きになってくれたのは香織だけだからね。香織が僕のことで不安に思っていたなんて考えてもみなかったよ。不安なのは僕だけだと思っていた。自分の事しか見えていなくて…ごめんよ。」

「ううん、あたしもつまらない嫉妬なんかしてごめんなさい。」

「僕の事なら心配なんて必要ないよ。香織しか目に入らないし…。むしろ心配なのは君の事だよ。僕からなら簡単に君を奪えると思っているヤツが多いのは知っているんだ。そんなヤツが香織にちょっかいでも出したらキレそうだよ。」

「キレるって…廉君が?クスクス…心配しすぎよ。あたしはそんなにモテないわ。それに廉君は心配ないって言うけど今日の廉君を見てファンクラブでも出来たらあたしだって嫉妬でおかしくなっちゃうかもしれないわ。」

「クスッ…それはありえないよ。だって僕は明日からまた瓶底眼鏡の浅井廉に戻るんだから。」

「え?どうして?」

「君以外の他の誰かに好かれたい訳じゃないからね。」

柔らかな頬に触れ、優しくその唇へと気持ちを伝えるキスを贈る。

「言っただろう?君が笑顔でいてくれる為ならどんな事でもするって。」

頬を染めて嬉しそうに微笑む香織の表情がとても幸せそうで…
この笑顔が全て僕だけのためなのだと思うと言葉では言い表せないくらい幸福な気持ちに包まれる。


いつだって僕を幸せにしてくれる香織…。


だから、僕はどんな小さな不安からも、些細な事からも君を護ってあげたいんだ。


< 16 / 20 >

この作品をシェア

pagetop