【短編】Little Kiss Magic 2~秘密と嫉妬~
「………この学校の理事長って僕の父親なんだよね。」

「……ぇ…ぇぇええええええっ!…うそっ?」

「本当だよ。内緒だからね?」

「ぁ…う…うん。…はぁ~ウソみたい。」

「驚いた?」

「うん…。」

「僕を見る目が変わった?」

「ううん、それはないよ。だって廉君は廉君だもん。」

そう言ってパアッと花が咲いたように微笑む香織を見て、本当に彼女を好きになってよかったと心から思う。


ねぇ、香織。君は僕の桜なんだ。

君という花から僕の心は離れられない。

だから僕は美しく咲く君を彩る青空のような存在になりたいんだ。

優しく君を見守り大きく包み込んであげられる存在になりたいんだよ。



いつかきっと…君を護れるだけの強さを持ったそんな大人になるから…。



ずっと僕の為だけに咲き続けて欲しいんだ。



「香織…好きだよ…。」

柔らかな髪を弄り、一瞬触れるだけのキスを奪う。

「もう…またぁ。通学路ではダメよ。」

「…ごめん…つい。」

「クスクスッ…優等生のくせにこんな所だけ学習能力がないんだから…。」

香織はそう言って少し背伸びすると―――


チュッ…


僕にキスの魔法をかけて逃げるように先に駆け出して行った。


少し先を走って僕をからかうように振り返る香織の笑顔が眩しくて…


だから僕はその笑顔に誓うんだ。


君を大切にするよ…って。




++Fin++

あとがきへ…
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