【短編】Little Kiss Magic 2~秘密と嫉妬~
あたしと付き合いだしてから彼は少しずつ変わってきていると思う。

どちらかと言うと大人しい印象で目立たないタイプだった廉君。
だけど、最近は以前よりも堂々としているというか、話し方にも余裕があるというか…。

廉君の言葉や行動にあたしが翻弄されてしまう事も多くなってきた。
その度にドキドキしてしまうのはもちろん好きだからもあるけど、それだけじゃ無い。
これまで人前では決して見せなかった姿があたしの前に現れる度、意外だったり、とても素敵だったりして…。その一つ一つにまた恋をしているからだと思う。

日を追うごとに彼への想いは益々募っていく。

そんな自分の気持ちが怖いくらいで、廉君がこの気持ちを受け止めてくれるのか不安になってしまうときがある。

どんどん素敵になっていく廉君。
あなたを気にもとめないクラスメイトたちがある日突然あなたの魅力に気付いて意識するんじゃないかって実はかなり心配していたりするのよ。

その綺麗な瞳にはあたしだけを映していて欲しいの。

ずっとあなたに片想いしていたあの頃の気持ちはいつの間にかあたしの中で根雪のようになっていて、その上に更に折り重なる新雪のように、新しいあなたの表情(かお)が『もっと好き』と言う気持ちとなって静かに降り積もっていく。
それは日を追うごとにどんどん量(かさ)を増していて、胸の中はあなたでいっぱいになっている。


廉君、あなたが大好き。


お願い…そんな哀しげな瞳で遠くを見ないで…。あなたの優しい笑顔が大好きなの。




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