Destiny Lovers
いつも思う。それがなくても鈴はかなり可愛いカテゴリーに入る。まさに容姿端麗、才色兼備。会社中の男性は高嶺の花だと噂した。
「素直に俺を選べばいいのに…。」
また始まった、とばかりに鈴は
「あ~ハイハイ。」
と流す。実は侑の本音なのだが…。片思い歴2年。実る見込みは低い。が、侑には自信があった。鈴はいずれ俺を選ぶと。
ほれ、降りるよ~と先に鈴が地下鉄を降りる。かつかつと歩く姿も様々な人の目線を盗む。後から付いて歩く形にも侑は幸せだった。二人の会社は近い為毎日一緒に通勤している。銘にも見せていない、自分しか知らない鈴が侑の中に存在する。喜怒哀楽を全て受け止め話し友達として接してきた。銘は鈴の涙を知らない。銘は鈴が怒る時流し目になるのを知らない。なんて考えていたら
「侑、顔がニヤけてるよ~?」
と頬を指で突かれた。
周りから見たら普通の恋人同士。

会社に着くなり侑の部下が
「相変わらず仲がいいですね~。何で付き合わないんですか?」
「さっさと奪っちゃえよ~。」
と冷やかす。違う意味で侑と鈴の仲も公認だ。
「いや、まだまだ。」
侑は首を振る。しかし自信たっぷりに笑いながら言った。
「時間はかかるけどあいつは俺を選ぶ
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