夢を正夢にする夢
夜景夜景夜景。

当たり前だけど、どこを見ても夜景だ。

ふと周りを見渡そうと横を向く。

「岬っ」

あれ?

なんか聞こえたような…

「岬っ」

あ・・・

「楠木………」

「やっと気がついた…ここ、風が得に強いな…」

「うそっ本当に!? ごめん…」

私が謝ると、楠木は口の端を持ち上げて、綺麗に微笑んだ。

本当、人間も景色も、私って…

相当面食いか!?…やっぱり!!??  

うぅん…あまり気がつきたくない事実を今、認めてしまった気がするよ。(笑)


ぶわぁっと風が吹く。

「こんなに高い所でも、風って吹くんだね~」

「・・・・・・」

私の言葉に、沈黙の楠木。

「・・・・? (馬鹿って思われちゃったかな…)」

「・・・高い所に来て…頭が・・・どうかしたか? いつも以上になんか…」

楠木は、そう微笑みながら近寄ると、そっと私の頭を撫でて、ついでに(?)腕を乗っけてきた。

頭に・・・そう重くない腕の重み。


ドキっとする。

楠木は、背が低くない。

高くもない。

ただ、私の背が小さいだけなんだけど…

うまい具合に腕置きにされている。

そんな、頭を肘置きにしてくれた事なんて、今迄なかったから、・・・ちょっと、ドキドキする。

でも、これじゃあ、楠木の顔が見えない…

ちょっと勿体無かったけど、腕を退けようと掴もうとして、彼の腕がするっと落ちてきた。

腕の重みが、頭の上から、肩の上に・・・・



し、心臓が高鳴る。

痛いくらいに…



ちょうど、肩を組まれた形のまま、楠木はなんだかこっちを見下ろしている。

・・・気がする・・・。

だって、恥ずかしくて、・・・顔を見ることができないっ!!


「俺達さぁ…」

ちょっ!!

この展開って、どうしたらいいの!!?

変な所に力が入っちゃって、彼の方を見れない…

「付き合っちゃおっか??」

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!??????????????????
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