夢を正夢にする夢
明るい茶色の髪で、背が、先生よりも高い。
適当に来たシャツ。
ぶかぶかの縦縞のズボン。
私の高校は、黒の無地だから、きっと、前の高校の制服なんだと思う。
転校生が、先生の列の後から、姿を現した。
何だか、鋭い目つき。
髪の先っちょは、固めていてツンツンしている。
ふて腐れたような顔。
何だか、この人・・・
怖い・・・
校庭は、静まり返っていた。
先生に促され、転校生が、マイクを手にとった。
「えーーあーーー」
少しだけ、マイクに声を入れる。
低くて、太い声・・・
そして・・・
静まり返った校庭を、鋭い目つきで、彼はざっと見回した。
大きく、息をすう。
「どーーーもーーーーー。転校生でっす!! 凶器わぁ~弦楽器で鍛えた、俺の、強靭な・・・指先!!? 身長は179cm・・・体重は、秘密ねひみつ・・・・ あ、いえ、ヨロシクお願いします!。・・・え?なに? 名前?? 名前は、火野上です!! ヒノウエをヨロシク!!」
何だか、皆が息を吸い込んだ音が、聞こえたような気がした。
そしてーーー
湧き上がる歓声。
歓声が歓声を引き起こし、まるでライブ開場状態。
転校生は、引きずられるかのように、先生方の後ろに、姿を消した。