夢を正夢にする夢
いやぁぁ

転校生は、派手に机を叩いて、

そして、そのまま机の上に座った・・・


楠木の机の上に・・・



「・・・・・」

楠木は、眉間に皺をよせて、頭を手で押さえている。

転校生は、そんな楠木の肩に腕を回して、ついでに、足も組んだ。



「知ってると思うけどさぁ~ねぇ~~21日、500円でおやつつきだから、皆、学校に来てくれよなぁ~~俺の、この鍛えられた強靭な指が、弦を弾いちゃうぜ?」



教室は、未だにしーーーんとなったままだ。

ふと、黒板を見ると、先生も、頭を痛そうに抑えていた。




な、何なの・・・

こいつーーーーーーーーー!!!!!!!!!



ほんの少しだけ、ザワツク教室。




「すまません・・・先生・・・」

楠木は、転校生の腕を強引に肩から引っぺがすと、席を立った。

火野上を指差す。




「こいつ・・・悪いのは見た目と態度だけなんで・・・」

こんなに眉間に皺を寄せた楠木って、珍しいのよ!!

何だか、男って感じね!!!

今までの恐怖なんて、飛んで行っちゃったわw

でも、何だか、知り合いっぽい雰囲気。

それは、何だか気に食わないわ!!!



「やぁだぁミノちゃんたらぁ~~照れちゃって~~」

今度は、なよなよと、どっかのスナックのママみたいな口調。

やだ。

なんかこいつ、気持ち悪い。

でも、教室にはオオウケみたいで。

教室は、再度、騒がしさを取り戻した。



「あぁ・・・え、・・・えとね・・・    こいつ、俺の親戚」



ざあああぁぁぁぁぁぁぁあぁあぁーーー




楠木の言葉に、封を切ったように教室は雑音で充満した。












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