夢を正夢にする夢
(Ⅲ)そう、ただの夢じゃない。
Ⅲ
夜景が見える。
どれぐらい、高いのか分からない…
人間が、見えないよ…
どれか分からないよ…
こんな、車が点に見えるような所に来たのは、初めてかなぁ?
風が凄く強くて、気持ちがいい。
高い所が嫌いなのに、ここは好きだな。
建物が、おもちゃに見える。
夜景が綺麗。
ととと…
また見とれていちゃった。
夜景夜景夜景。
頭がぼーーーとしてくる。
「岬っ」
あれ?
なんか聞こえたような…
「岬っ」
あ・・・
「楠木………」
「やっと気がついた…ここ、風が得に強いな…」
「うそっ本当に!? ごめん…」
私が謝ると、楠木は口の端を持ち上げて、綺麗に微笑んだ。
ぶわぁっと風が吹く。