夢を正夢にする夢
「こんな所でも、風は吹くんだねぇ」


私の言葉に、楠木は沈黙した。

「・・・・? (馬鹿って思われちゃったかな…)」

「・・・頭が、どうか、したか??」

し、失礼ね~~

私の頭は、いつもこんな感じよ。

でも、楠木が、そういう言葉を言ってもさ・・・

何でか、優しく感じちゃうから不思議なんだよね。

少し上の方にある、楠木の顔を覗き込む。

楠木は、少しだけ眉間に皺を寄せて、左手を頭の上に置いている。

「俺達さぁ・・・もしかして・・・」

楠木が、私を見下ろす。

痛いくらいドキドキしはじめた私の胸を、感づかれまいと、私は冷静を装う。

「ん?」

「い、いや・・・いいや、夢でも・・・今度こそ・・・」

「えっ??」


楠木の顔が、どんどん近くなる。

そして・・・

や、やってしまったわ・・・


私の・・・


ファースト、キス・・・



ギャーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!

テンションが上がりまくりの私。

やばい。

本当に鼻血が出そうだ!!


だ、ダメ・・・

興奮しすぎて・・・

ふらふらして、きちゃった・・・
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