夢を正夢にする夢
「今日、呼び出したのは他でもないわ」

ひとしきり冷麺をすすった響加は、箸をとめて、私を見て言う。

私は・・・

熱い石焼ビビンバを、スプーンの中で冷ましながら、響加を見る。


「昨日の窓ガラス事件、警察ざたになったらしいわ」




「・・・・・・」

思わず、手が止まる・・・いや、口が止まる私。

響加は情報通だ。

むしろ、情報屋だ。

売りはしないけど・・・



「窓ガラス、すぐに外も中も、先生達が来て、片付けていったでしょ? で、結局、凶器が見付からなかった・・・」

響加の声が、小さく、低くなる。

「それでね・・・警察に電話かけたらしいわ。・・・モノをぶつけないで割れるなんて、爆弾の可能性とかはないのか? てね・・・・」

うんうん。

私は、無言で相槌をうつ。

「だから、警察が、放課後に来た、らしいわ。そして、・・・爆弾でも、モノをぶつけても、こういう割れ方はしない・・・って・・・」

どきどきどき。

響加ったら、ミステリアスで・・・

怖いわ。

惚れそうよ。

響加。

「・・・」

「でも、斜めから、弾丸を撃ち込んだら、こういう割れ方をするって・・・」

ドッキュン!!!!!!★★★



・・・

こ、怖すぎる!!!!

ホラー過ぎるよ~~~

思わず、涙目になっちゃうじゃないの!!

響加ったら・・・

「本当、なの??」


響加に詰め寄る私。

響加は、きれーーいに目を細めて、歯を見せて笑った。

キレイに並んだ前歯だった。

「っふふふっ・・・岬っちゃんたらっ」

色気たっぷりの声で私を呼ぶ・・・

そう、そして、こう話は続いたんだ。




「そう、間違いなく、本物の情報よ。岬っちゃん」



・・・・沈黙。
< 38 / 93 >

この作品をシェア

pagetop