夢を正夢にする夢
(⑤)そう、危ない橋の先にある幸せ。
⑤
「頭が、変になりそうよ。岬っちゃん」
帰りのHRが終わり、いつものように荷物をまとめて響加の元に行くと、響加は頭を抑えたままだった。
「・・・響加?」
「意味不明よ岬っちゃん。何だか、殴りたいぐらい意味不明だわ」
・・・って、誰を?
響加・・・
・・・私は、殴らないでねww
「アレについて、悩んでいるの?」
響加の机の横にしゃがみこんで、私は少しだけ声を小さくして喋った。
響加は、ちらりと私を見る。
カンの良い響加だから、アレですぐ気がついたのだと思うけど・・・
「岬っちゃん。・・・・・・」
そういうと、響加は周りを警戒しながら、私に耳打ちする。
「だって・・・火野上君が、ツバメを犯人の身代わりに置いたとしか、考えられなくない?」
ドキっ。
そう。
そうなんだ。
私も、午後の授業中ずっと考えていた。
アマツバメが、本当に窓に激突して窓が割れたとして・・・
何故、だれも気がつかなかったのに、火野上がそれに気がついているのか・・・
そして、何故その羽根を持っているのか・・・
もしくは、自分が犯人と間違われたくないから、わざわざアマツバメを置いたのか・・・
でもね・・・
今の響加って「犯人の変わりに置いた」って言っていたけど・・・
私もね、同じ考えなんだ。
ツバメを置いたのは火野上かもしれないけど・・・
窓を割った犯人は、多分、火野上じゃないと思う。
何で? って聞かれると解からないけどさぁ。
だって・・・
もし、火野上が犯人で、自分の身代わりにツバメを置いた。のだとしたら・・・わざわざその羽根を持ち歩いて、わたしたちに見せないわよね・・・
何で、見せたか解からないし・・・
まだ、火野上がツバメを置いたのか、ただ、そのツバメを見つけたのか解からないけど・・・