夢を正夢にする夢
頭がぼーとする中、ベットに腰をかけて熱を測る。
「うん。立派なもんだ。38.6度…」
白衣の似合う、綺麗な先生が、体温計を手にとったままニッコリと笑った。
その隣で、響加はちょっと困ったように眉間にシワを寄せている。
「お昼には楠木君を連れてくるから…それまでには元気になっておくのよ? 岬っちゃん」
「保健室で弁当だなんて初体験だわ私!!」
「はいはい。食欲だけはあるのよね…」
そして、にっこりと笑って、響加は保健室に備え付けてある金庫に鞄を入れ、鍵を私に渡してくれた。
私はその鍵を手首に巻きつけ、靴を脱いでベットにあがる。
「少し寝てなさい。ほら、薬…」
保健室の先生が、水と、錠剤を二つくれた。
一気に飲み干し、私はそのままベットに横になった。
「これって、知恵熱ってやつかなっ!!」
ふと気になった私は、保健室の先生と響加を交互に見ながら聞いてみた。
「・・・ぅうん…知恵熱は、微熱なのよ」
「知恵使った記憶があるとは思えないけどね…岬っちゃん」
二人の答えに、私はベットに沈ーーー没した。