魔女の報酬3~封呪の守り人~
メディアは膝丈のなんの変哲もない黒っぽいドレスに、黒い革の短靴。装飾類は一切なしと言う、いつもの地味ななりである。もともとまとまりの悪い髪は、侍女が朝、苦心の末に何とか整えてくれていたのだが、さっきロランツがぐしゃぐしゃにしてくれていた。
それでも、長旅をしてきたままというシャリア姫に比べれば、かなりましなのだが、一国の王子の婚約者としての身なりにふさわしいとは、とても言えない。女官長は、ほっとひとつため息をついた。
「確かに、メディア様のその格好もちょっと、いえ、ずいぶん難がありますわね。何とかしないといけないとは、常々思っていました。この際、ついでですから……え? 殿下!」
「お兄様、ずるーい!」
二人の非難の声をしり目にロランツ王子はメディアを抱え上げると、さっさと窓から脱出した。
それでも、長旅をしてきたままというシャリア姫に比べれば、かなりましなのだが、一国の王子の婚約者としての身なりにふさわしいとは、とても言えない。女官長は、ほっとひとつため息をついた。
「確かに、メディア様のその格好もちょっと、いえ、ずいぶん難がありますわね。何とかしないといけないとは、常々思っていました。この際、ついでですから……え? 殿下!」
「お兄様、ずるーい!」
二人の非難の声をしり目にロランツ王子はメディアを抱え上げると、さっさと窓から脱出した。