魔女の報酬3~封呪の守り人~
「あんまり、いつまでも入っているからですよ」
ベッドに突っ伏して伸びてしまっているシャリアの濡れた銀の髪を手ずから布で拭きながら、女官長が小言を言う。
「だって、気持ちよかったんですもの」
「しかたがありませんね。今日はこのままゆっくりお休みなさい。あとで、夜食を運ばせますから」
「うん」
ため息にも似た声を漏らして、シャリアは目をつぶりかけたが、ふいにくるりと体を反転させた。
急に動かれて女官長の手から放れた銀の長い髪が、さらさらと彼女のまわりに降り注ぐ。髪はもうほとんど乾いていた。
「ちょっと安心しちゃった」
甘えるように微笑みかけられて、女官長オルダは目を細めた。
我が子を幼い頃に亡くしてしまった女官長は、この型破りな姫を実の子のようにいとしんでいた。王妃と一緒に草原に行ってしまったときには、ついていこうとしたのだが、街のものは草原で暮らせないと、王妃に同行を断られた。
そのうっぷんを晴らすかのようにオルダは、姫が宮廷に帰ると当の姫の迷惑を顧みず、その世話をかいがいしく焼き出すのだ。
布団を掛けてやりながら、尋ねる。
「何をですか?」
ベッドに突っ伏して伸びてしまっているシャリアの濡れた銀の髪を手ずから布で拭きながら、女官長が小言を言う。
「だって、気持ちよかったんですもの」
「しかたがありませんね。今日はこのままゆっくりお休みなさい。あとで、夜食を運ばせますから」
「うん」
ため息にも似た声を漏らして、シャリアは目をつぶりかけたが、ふいにくるりと体を反転させた。
急に動かれて女官長の手から放れた銀の長い髪が、さらさらと彼女のまわりに降り注ぐ。髪はもうほとんど乾いていた。
「ちょっと安心しちゃった」
甘えるように微笑みかけられて、女官長オルダは目を細めた。
我が子を幼い頃に亡くしてしまった女官長は、この型破りな姫を実の子のようにいとしんでいた。王妃と一緒に草原に行ってしまったときには、ついていこうとしたのだが、街のものは草原で暮らせないと、王妃に同行を断られた。
そのうっぷんを晴らすかのようにオルダは、姫が宮廷に帰ると当の姫の迷惑を顧みず、その世話をかいがいしく焼き出すのだ。
布団を掛けてやりながら、尋ねる。
「何をですか?」