魔女の報酬3~封呪の守り人~
(まさか!)
言葉をなくして、見つめるメディアに青年は笑いかける。
けれど、その黒い瞳にはなんの笑みも浮かんではいない。
深い響きのある声が、問う。
「お前がメディアか?」
緑の目を瞠ったまま、その場に縫い止められたように動かないメディアに、青年は近寄ってくる。彼が歩を踏み出す度に背中の翼の黒い羽根が、風に揺れてさやさやと音を立てた。
「似ているな」
「だれによっ!」
手を伸ばせば触れられる距離まで近寄られて、メディアはようやく後ずさりかけた。
「お前の母親に」
同時に彼は手のなかに持っていたものを示した。
メディアは息を飲んだ。
「それは!」
「勘のいい子だ」
差し出された手がメディアにそれを渡す。
手のなかのものと翼を持つ異形の青年に交互に視線を走らせながら、メディアは必死の思いで問う。
「あんた、だれ? どうして、こんなものを?」
「俺は、夜の王。夜を支配する者だ。さあ、来るんだ。それとも、お前はそれだけでは満足しないのか?」
メディアの手もとを冷ややかな視線が突き刺さる。メディアはあわてて首を振った。
「母親想いのいい子だ」
夜の王と名乗った青年は、巨大な翼を広げた。
メディアの視界を覆いつくすように。
言葉をなくして、見つめるメディアに青年は笑いかける。
けれど、その黒い瞳にはなんの笑みも浮かんではいない。
深い響きのある声が、問う。
「お前がメディアか?」
緑の目を瞠ったまま、その場に縫い止められたように動かないメディアに、青年は近寄ってくる。彼が歩を踏み出す度に背中の翼の黒い羽根が、風に揺れてさやさやと音を立てた。
「似ているな」
「だれによっ!」
手を伸ばせば触れられる距離まで近寄られて、メディアはようやく後ずさりかけた。
「お前の母親に」
同時に彼は手のなかに持っていたものを示した。
メディアは息を飲んだ。
「それは!」
「勘のいい子だ」
差し出された手がメディアにそれを渡す。
手のなかのものと翼を持つ異形の青年に交互に視線を走らせながら、メディアは必死の思いで問う。
「あんた、だれ? どうして、こんなものを?」
「俺は、夜の王。夜を支配する者だ。さあ、来るんだ。それとも、お前はそれだけでは満足しないのか?」
メディアの手もとを冷ややかな視線が突き刺さる。メディアはあわてて首を振った。
「母親想いのいい子だ」
夜の王と名乗った青年は、巨大な翼を広げた。
メディアの視界を覆いつくすように。