先生の隣。
「葵~っ!なにぼーっとしてんの」
親友の明美がこっちに来て
持っていたノートで私の頭を叩いた。
「もう!なにすんのよぉー」
「ぼーっとしてるからでしょ?
窓なんか眺めてさ・・・まだアイツのこと忘れられないの?」
アイツっていうのは、元彼のこと。
「別に。もう忘れたよ・・・」
「ふ~ん。そんな風には見えないけどさっ。」
本当に忘れたの?って言われれば嘘になるけど・・・
でも、もう新しい出会いに期待する。
いつまでもうじうじなんかしてられないしっ。。
「明美、私ね。もう本当に忘れたから。新しい恋するよ。」
「そっか。じゃぁ・・・そんな葵に朗報です♪」
にこっとイタズラっぽく笑って明美が言う。
「今日から、うちのクラスに新しい先生が来るんだってさ」
「先生?」
「そう、先生。結構カッコイイって噂だよ~?私はまだ見てないけどさ。」
「へぇ~・・・でも、先生だしなぁ。。ちょっと禁断じゃない・笑」
「いいじゃ~ん。出会い求めてるんでしょ??」
「いやいや、でも先生だしさ。。。」
「まぁ、先生と生徒の恋愛ってやっぱりハードル高いよね」
「当たり前じゃん。ムリに決まってるでしょ?」
「ねぇ、私・・・その先生見に行って来ていい?」
「いいよ。いってらっしゃい」
「うん、いってくる。」
明美は他の子たちと一緒に職員室に向かった。
私はまだ、その時はなんとも思ってなかった。
先生と生徒の恋なんてマンガのなかだけの話だって思ってた。