先生の隣。
「どーしよ。明美がいないから暇だ。。」
明美は新しく来る先生のところに行ってしまったから
私は一人ぼっちになった。
「じゃぁ・・・屋上でも行こうかな。」
昼休みが終わるまでまだ時間はあった。
屋上なら誰も来ないし・・・結構好きだし。
ウォークマンをポケットに入れて教室を出た。
「ん・・・?誰かいるのかな?」
屋上の前まで来るとドアが少し開いていた。
ドアを開けて周りを見渡しても誰もいない。
「なんだ、誰もいないじゃん・・・」
「クスクス」
「ん?」
キョロキョロとあたりを見渡していると
後ろからクスクスと笑い声が聞こえた。
声のするほうをゆっくり振り返ると
男の人が口に手を当てて必死に笑いをこらえていた。
「なんで気づかないのー?俺、ずっとここにいたのに」
「あ・・・あの。もしかして新しく来た先生ですか?」
やっと笑いがおさまったのか男の人は私を見て
ニッコリと笑った。
「そーだけど?」
こげ茶っぽい短髪の髪。
黒縁のメガネ。
人差し指で鍵を回して私を見つめる透き通った瞳。
「ん?ボーっとしちゃってどうした?」
先生は立つと思いのほか大きかった。
「これからよろしくねー?」
先生の大きな手が私の頭を優しく撫でた。