サヨナラのカタチ





授業中。

席が離れてしまった私と健太くん。


その、少しの距離がもどかしい。


あの頃は、隣の席で。

授業中に堂々と気持ちよさそうに眠るあなたの寝顔を見ることが私の幸せだった。


ねえ…健太くん。

ここからじゃ、あなたが寝ているのかどうか。

それさえも分からないよ。



健太くんはクラスの人気者の割には女の子とあまり話さなくて。

だから珍しくあなたが私じゃない女の子と話している姿を見ていると。


どうしようもなく、胸が苦しいの。


別れたのに、おかしいのかな?


だけどさ、健太くん。

あの別れ方じゃ…納得なんてできないよ。


ねえ、よりを戻したい。

なんて贅沢は言わないから。


だからせめて。

せめて、前みたいに笑顔で話せるような友達に戻れないかな?







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