サヨナラのカタチ




ねえ…健太くん。

きっと私とあなたの関係に『突然』は付き物なんだと思うの。


だってね?

私からすればあなたからの『告白』は『突然』だった。

そして『別れ』も『突然』だった。


…で、今。


これも『突然』

そう、呼ぶんだろうね。


授業後の誰もいなくなった教室で、1人ぼーっとしていた私。

そこへ『突然』聞こえた私を呼ぶ声。



「…しお、り?」


ああ、やっぱり好きだな。

久しぶりにその声で名前を呼ばれて痛感した。


書いて字のごとく。

痛いくらい、感じたんだ。



「…どうしたの?」


できるだけ、いつも通りを装った。

それでも声が震えていたかもしれない。



「忘れ物…取りに来たんだ」


健太くんが自分の机の横にかけていた弁当の袋を持った。



完璧そうに見て、

ちょっと抜けてる、そういうともころも好き。


まだ好き『だった』なんて言えない。


未練たらしくて…ごめんね、健太くん。








< 18 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop