サヨナラのカタチ
ねえ…健太くん。
きっと私とあなたの関係に『突然』は付き物なんだと思うの。
だってね?
私からすればあなたからの『告白』は『突然』だった。
そして『別れ』も『突然』だった。
…で、今。
これも『突然』
そう、呼ぶんだろうね。
授業後の誰もいなくなった教室で、1人ぼーっとしていた私。
そこへ『突然』聞こえた私を呼ぶ声。
「…しお、り?」
ああ、やっぱり好きだな。
久しぶりにその声で名前を呼ばれて痛感した。
書いて字のごとく。
痛いくらい、感じたんだ。
「…どうしたの?」
できるだけ、いつも通りを装った。
それでも声が震えていたかもしれない。
「忘れ物…取りに来たんだ」
健太くんが自分の机の横にかけていた弁当の袋を持った。
完璧そうに見て、
ちょっと抜けてる、そういうともころも好き。
まだ好き『だった』なんて言えない。
未練たらしくて…ごめんね、健太くん。