サヨナラのカタチ
良次先生と別れのあいさつを交わす。
だけど、私はまだ教室を離れられなくて。
なぜかまた涙が溢れそうになって。
慌てて、堪えた。
それでも目にはいっぱい涙が浮かんで。
視界が霞んだけど。
良次先生の言葉を思い出して、
笑顔で呟く。
「…サヨナラ、健太くん」
そして、ありがとう、健太くん。
いつかあなたじゃない人を好きになったとしても。
あなたのことは…忘れられないと思うの。
たった、半年だったけど。
それでも私は幸せだった。
あなたが好きだった。
…いや、今もまだ好き。
大好き。
だから、サヨナラ。
温かい雫が頬を伝って廊下に跡をつける。
ゴシゴシと頬に伝う涙を拭うと
私は歩きだした。
健太くんとは2度と交わることのない、
自分の道を…
―第2話 完―