サヨナラのカタチ





久美の言う通りだ。

なぜなら僕が別れを決断したのは久美の浮気が原因だから。



「実は…僕も浮気していたんだ」


その言葉に、久美が大きく目を見開いた。




「ごめん、ホントに」


「…いつ?」


「え?」


「いつ、浮気してたの?」


こんなこと聞かれるとは思ってなくて。

少し、驚いた。



「久美と付き合ってすぐ。

と、いうか久美と付き合う前に彼女…いたんだ」


うそ…と、久美の口から空気のようにもれた。



「ごめん、ウソついてて」


「いや…そんな…

今更そんなこと言われたって…」


久美の視線がオロオロと定まらなくなる。


どうしてだ。

どうしてそんな反応をするんだよ、久美。


結局のところ、お前だって浮気したんじゃないか。








< 3 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop