サヨナラのカタチ
反省会中の俺へメールが届く。
この音は理子からだ。
理子
○月×日 21:18
――――――――――――――――
会社でトラブル発生
今日からしばらく忙しくなりそう。
この件が落ち着いたら
荷物取りに行くから
その前にまた連絡します
なんて理子らしいメールなんだろう。
アイツが絵文字も顔文字すら付いていないメールを送ってきた。
それはきっぱりした性格のアイツらしい。
『彼氏以外の男には絵文字、顔文字を使わない』
それがアイツのポリシー、というか決まりだった。
このメールが来たということは、
俺はもう、カレシなんかじゃない。
そうはっきりと告げられたようなものだ。
『了解。
仕事、頑張って』
それだけ送ってケータイを閉じた。
そう言えば理子、
一昨日くらいからケータイのデコレーションのデザイン変わってたな。
なんて関係もないことを思い出す。
前のはアイツっぽくなかったけど、
今のデザインは理子に似合っていた。
って、俺、何言ってんだろ。
理子、理子、理子、って。
これじゃあまるで未練たらたらのカッコ悪い男じゃないかよ。
…いや、事実、未練たらたらのカッコ悪い男か、俺は。