サヨナラのカタチ
そんで、最後。
『俺にとって理子は…大事で大切な人』
よく失ってから初めてその大切さに気づく、
なんて言うがその通りだと思った。
理子がうちに帰ってくるのは当たり前で。
理子が俺の隣にいてくれるのは当たり前で。
だから、気付けなかったんだ。
『理子』という存在が
俺の中で当たり前すぎて…
そう、まるで空気みたいな、そんな感じ。
誰も空気を意識して過ごさない。
そこに空気があることが当たり前だと思ってすごしている。
もし、この空気がなくなってしまえば、
俺たちには『死』しかないと言うのに、
人は空気の大切さに気付かない。
それと似たようなものだった。
俺の中で理子は空気なのだ。
そこにあって、そこにいて、
当たり前の存在だったのだ。
そして、
何よりも、
誰よりも、
理子が、
『大切』だったのだ。