サヨナラのカタチ
「おい!ちょっと待てよ!」
俺のそんな声に奏は足を止めた。
「何?センセ」
「いつから?
つーか、なんで?」
頭の中はパニックで。
うまく思ってることを言葉にできない。
「何言ってるの?
全然分かんないんだけど」
「いやっ!
だから、俺、そんな…奏が」
やっぱりうまく言葉が出てこない。
だけど
「ああ、そういうこと」
奏は察してくれたらしい。
「私が先生を好きだなんて思ってなかったんでしょ?」
コクンと頷く。
だって俺、そんな気配、微塵も感じなかったんだ。
「当たり前でしょ。
だって…隠してたんだもん。
このキモチ、誰にも言ってなかったんだもん」