サヨナラのカタチ
最後に花を贈呈して
部の卒業式は終わった。
海ちゃんは号泣で。
千絵は必死で泣くのを我慢していた。
新島先輩はもう帰る用意をしている。
恐らく、クラスの人たちとの打ち上げに行くのだろう。
「ねえ、香奈」
「ん?」
「先輩に、写真お願いしたい!」
千絵のその言葉にニヤッとして。
「了解!シャッター押しますよ」
そう答えた。
先輩に声をかける機会を伺っていると
「失礼します」
と、新島先輩は出て行ってしまった。
慌てて追いかける私と千絵。
躊躇っている千絵の背中を押す。
「せ、先輩っ!」
新島先輩が振り返る。
「写真…お願いできないですか」
顔を真っ赤にしてそう言う千絵を可愛いと思ってしまう。
「あ、うん。いいよ」