【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》
スマイル男子、大熱唱
猛練習の日々が続き、11月の中旬、遂に合唱祭当日を迎える。
私達一年生は第二体育館での合唱祭。ちなみに、二年生が第一体育館、三年生が近くの小ホールを貸し切りにしている。
一般のお客さんも入れるイベントだけど、まあ、二年生や三年生の方に流れるし、一年生は気楽だなんて担任は言ってたのに……。
「あらまー。このお客さんは何でぃ?」
「何でぃじゃないし!バカ虎のバンド目当てに決まってるじゃん!」
お客さんの目当ては私達の合唱というより、カゲのバンドだ。
当の本人のカゲはのほほんとしているけど、意外とあがり性の旭はカゲをぶん殴っている。