【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》
「きんちょう、解く、魔法、かける。」



「……んへ?」



キヨちゃんが突然呟く。多分、私が緊張しているのを気にして、緊張を解いてくれようとしているのだろう。



今の単語だけでここまで分かるのなんか、私だけだ。



そう思うと、なんだか笑顔になる。止まらないくらいに。



「まだ、してない。」



「あ、ゴメン。でも、なんかキヨちゃんのおかげで少し和んだ。」



そう言って歯を見せて笑うと、キヨちゃんは首を傾げて、後頭部をポリポリ掻いた。
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