【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》
当の本人は長い睫毛をしぱしぱさせて、首を傾げる。



「お、れ?」



「そ!はーやーく!」



笑顔のカゲに呼ばれ、キヨちゃんは頭をぽりぽり掻きながらのそのそ歩く。



そういえば、軽音部の練習手伝いに行ってたもんね。成る程、こういう意図があったんだ。



他のクラスの子達がキヨちゃんを見てざわざわしている。きっといい噂がないからだろうけど。



カゲに半透明な電子バイオリンを渡されたキヨちゃんは、カゲに二言程質問をしているように見える。



そして、その答えをもらったら、スっと綺麗にバイオリンを構えた。
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