【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》
「ところでキヨちゃん、どうしたのそれ?」



「ん?なんか、もらった。」



キヨちゃんは一人でワンホールのチョコケーキを食べている。



口の端にチョコクリームを付けたキヨちゃんは、クラスメイトの女子の一人をフォークで示した。



その女子と一瞬目が合ったが、すぐに仲良しグループの輪に戻る。



「あらら、美和、ライバル出現だね。」



「なっ…!あのねえ。」



そういうことを言うと、キヨちゃんに気持ちばれちゃうじゃん。



とは言えず押し黙る私に、差し出されたフォークに刺さった一口分のケーキ。



「おいしいよ。あーん。」



…やっぱり不思議だ。
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