【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》
けれど、私の腕はキヨちゃんに掴まれてしまい、歩みが止まる。



「キヨちゃん?どうしたの?」



キヨちゃんは曲がったアヒル口をむーっと縛り、私を後からむぎゅっと抱きしめた。



いやいや、嬉しいけども!何なのさ一体!



その光景を見てニヤリと笑う旭。



「成る程ー。美和、風間先輩の用事って、怒られるようなことじゃないかもよ?」



「はあ?じゃあ生徒会への勧誘か何か?もっと嫌なんだけど。」



そう答えつつ、私はキヨちゃんの腕からするりと抜ける。



「まあ、怒られる可能性強いけど行ってくるわー!」



すでに廊下に出たであろう先輩を探すために、私は小走りで教室を出た。
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