【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》
そう思うと、なんだかまた涙か込み上げて来た。



「ふっ…うう…!初めてのキスだったのに。初めては好きな人が良かったのに…!しかも、キヨちゃんに見られたし!」



なんだか自分でもわけが分からなくなって、近くにあった壁にもたれ掛かって丸まって泣きじゃくる。



止まらない涙と嗚咽。キヨちゃんは、そんな私と同じ目線になるために長い足を折り曲げる。



涙を拭く私の手首を掴み、無理矢理顔を近づけるキヨちゃん。



「みー、泣きすぎて、おさるさん。」



「なっ…!?酷い!乙女にそんなこと……!」



あまりにも無神経な言葉に言い返そうとした私だけど、その言葉は言えなくなってしまった。



だって……。
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