【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》
「いる。…だけど、俺、人を、好きになる資格、ない。」



その声色は泣きたくなる程悲しみを帯びていた。



ふっと真剣な表情を解くと、キヨちゃんは再び歩き始める。



私はキヨちゃんが好きな人がいるというショックな事実以上に、何よりも、その言葉が引っ掛かってしょうがなかった。



どうしてそんな悲しい顔で、悲しい言葉を言うんだろう?



キヨちゃんの全てが見たいけど、やっぱり怖くて見たくない。



目を逸らしたくなるような真実を見るのは、少し後のある出来事がきっかけだった。
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