【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》
「ピアッサー、音、驚く、けど、思いの外、痛く、ない。」



「そう、なの?」



ちょっと不安な私に、キヨちゃんは柔らかく頷く。そうすると、なんだか私も安心した。



「じゃあ…私も、姉ちゃんに開けてもらおっかな?」



勇気を出してピアッサーに手を伸ばした私に、キヨちゃんが嬉しそうに微笑む。



「これから、は、一緒にピアス、買えるね。」



意識的になのか、無意識になのか。



どっちにしたって、その一言は私をドキドキさせる一言には変わりなかった。
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