【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》
影虎はいつもの眩しい笑顔とは違う、少し含んだ、艶っぽい顔で笑う。



ちょっと待て、なんか、私、変。



「そろそろ、俺のこと、彼氏にしてくれても、良くね?」



そして、ドキドキしている間に、影虎の小さな唇が、ちょん、と一瞬だけ私の唇に重なった。



あれ…今の、もしかして、キス?



中学の時にファーストキスは済ませてるけど、だけど、された瞬間、心臓が口から出そうな勢いで脈打ち出す。



「へへっ奪っちゃった。…ねえ、ドキドキ、した?」



この真っ直ぐな目線には嘘がつけない気がして、私はこくこくと首を縦に振る。
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