【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》
「はは…ホントに甘い物好きなんだね。いただきます。」



私はキヨちゃんの甘党っぷりに苦笑いしながら受け取る。



口に含むと、抹茶とはいえミルキー。甘ったるい味が口いっぱいに広がった。



英語の先生が起立の号令をかける声で、私はゆるりと立ち上がり、前を向く。



その時初めて一番端の廊下側の列、前から二番目の席が空席なのに気付く。



旭がまだ………帰って来ていない。



委員会じゃなかったのかな。もしかして、リーダーグループの女子に何かされたんじゃないかな。



気付くと、途端に不安になる。旭はどうしたんだろう。
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