【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》
「あのさ…もしかして、旭?」



そう。多分この目の前の女子高生は、赤ちゃんの頃からの幼なじみの梶原旭、だと思う。



旭らしき女の子は私を離し、大きな目いっぱいに涙をためて私を見ている。



「やっぱり、事故の影響で私の記憶が曖昧なの?そうなの?」



「いや、記憶はバッチリだけど、私の記憶、あんたが黒髪ポニーテールだった中三の二月までしかないから。むしろ分かったの褒めてほしい。」



私の言葉に旭は「あ、そうか。」とあっさり納得してしまった。



こういうとこ、記憶の通りだわ。うん。
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