【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》
「しっかし、不思議だね。美和は記憶が中三の二月で止まってるんだもんね。」



「ってか、中学の卒業式も、高校の入学式も、夏休みもしてないのに高校一年生の二学期とかマジ私も信じられないよ。」



起きたのが奇跡的だとか言われても、その凄さは分からない。気持ちはまだ中学生のままだし。



だから、目の前の可愛い女子高生が幼なじみの旭だと頭では分かっていても、なんだか変に違和感。



「まあ、美和的にはまだ変な感じだと思うけどさ、私もクラスメイトだし、一緒に頑張ろう!」



きちんとお化粧をしている、記憶とは違う旭だけど、明るい笑顔は変わらない。旭の言葉になんだか私は安心した。
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