【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》
「もう!いい加減にして!あんた達が選んだ委員会なんだから、文句言わずついて来いっての!それが嫌なら今から誰か交代しろ!」



教卓をバン、と叩いた旭に、何か言える人はいない。だって旭が正しいから。



旭は興奮して、教室から出て行ってしまった。



カゲがそのあとをすぐ追いかけていく。教室はやたら静か。



「かじあさ、の、気持ち、伝わった?なら、練習、皆でしよ。」



音楽室から借りたキーボードに指を置き、キヨちゃんが柔らかく微笑む。



そのキヨちゃんの美しさに、男子も女子も一瞬息を呑むと、少しずつ、皆が楽譜のプリントを持った。



優しく鍵盤を押すキヨちゃんに、私は良く分からないけど、心臓がギューっと掴まれるような感覚になった。
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