雪花-YUKIBANA-
僕は涙を拭ってうなずく。
こんなとき、叔父のざっくばらんな口調がとてもたくましく思える。
「神様もさ、そんな意地悪じゃねぇって」
そう……きっとそうだと、信じたい。
信じることしか
今の僕にはできないんだ。
「俺が、桜子の親父のこと調べてやるからさ。
お前たちが兄妹じゃないってこと、きっと証明してやるから」
「……」
ぽん、と背中を押された気がした。
この3ヶ月間、誰かにしてもらいたかったこと。
「だからお前はそれまで、何も心配せずに桜子を支えてやれよ。
飯作ったりアイロンかけたり、さんざんこき使われとけって」
「……ははっ」
「あっ!言っとくけどあいつ、けっこう人使い荒いからな。気をつけろよ」
すっかりいつもの叔父に戻っていた。
僕は彼の話に笑いながら、
この人が僕の叔父さんでよかった、と思った。