雪花-YUKIBANA-
採用が決まり、胸のつかえが取れたマユミは、
つづけ様にビールをあおった。
そのうちに下ネタトークが始まり、
どんな体位が好きだとか、
外でやったことがあるかだとか、
そんな話に発展していた。
となりのテーブルでは若いサラリーマンが、
出張先で行ったソープランドの話で盛り上がっている。
まさか自分たちのすぐ横の席で、
いま新たにひとりの風俗嬢が生まれただなんて、思ってもみないのだろう。
僕はぼんやりと窓の外を見た。
時間は深夜の2時を過ぎ、それでも街は騒がしかった。
若い男の集団が奇声を発しながら、路上駐車の車を蹴ったり、石をぶつけたりしていた。
ミニスカートの女の子が酔いつぶれ、吐瀉物の横で倒れていた。
自販機にもたれかかるようにして中年カップルが抱き合い、互いの体をまさぐっていた。
まるで、ばらばらのフィルムを適当にかき集めて
映写機で流しているような、
雑多で、とりとめのない光景だった。
「何を見てるの?」
僕のとなりのミドリが不思議そうに言う。
つづけ様にビールをあおった。
そのうちに下ネタトークが始まり、
どんな体位が好きだとか、
外でやったことがあるかだとか、
そんな話に発展していた。
となりのテーブルでは若いサラリーマンが、
出張先で行ったソープランドの話で盛り上がっている。
まさか自分たちのすぐ横の席で、
いま新たにひとりの風俗嬢が生まれただなんて、思ってもみないのだろう。
僕はぼんやりと窓の外を見た。
時間は深夜の2時を過ぎ、それでも街は騒がしかった。
若い男の集団が奇声を発しながら、路上駐車の車を蹴ったり、石をぶつけたりしていた。
ミニスカートの女の子が酔いつぶれ、吐瀉物の横で倒れていた。
自販機にもたれかかるようにして中年カップルが抱き合い、互いの体をまさぐっていた。
まるで、ばらばらのフィルムを適当にかき集めて
映写機で流しているような、
雑多で、とりとめのない光景だった。
「何を見てるの?」
僕のとなりのミドリが不思議そうに言う。