あの頃にまた…
二人の初…
二人は、ゆっくりと駅から五分程の映画館へと向かっている。

二人の間にはさっきの会話以来恥ずかしくて話題が出てこない。

少し気まずい空気になってくる二人…

寛鍛はこのまま気まずいのはいけないと思い
「そういえば映画って何の映画なの?」と少しギクシャクしながら寛鍛は聞いた。

光は明るく
「何か<あの恋愛をもう一度>って奴であらすじは…」その話をキラキラした目で映画館につくまで光の説明を聞いていた。

そして映画館に着いたらチケットを渡して、一番大きいポップコーンを買って6番シアターの中に入り真ん中の席に座り少し待った。
寛鍛「楽しみだね!」と明るく言う。

光「うん、この映画ホントに見たかったんだ!初めてスキな人と一緒に…」
光は途中で言葉がつまった。

多分恥ずかしくてこれ以上は言えないらしい。
寛鍛は嬉しいのと恥ずかしいのと自分への怒りが一気にきた。

寛鍛(何でこんなにも好きなのに付き合うのを未だに拒むんだろう…光に結果が分からない辛い思いをいつまでもさせられない…いつかはちゃんと返事を返さないと…でも今はまだ……)

寛鍛は迷いながらも自分がすぐには答えを出さないと言う事を決めた。
ブーーー!!

どこか懐かしさを覚えるようなサイレンが鳴り響く――

そして周りのライトがゆっくりと暗くなっていった――
< 20 / 27 >

この作品をシェア

pagetop