あの頃にまた…
駅からすぐのゲーセンに着いた時には皆のテンションはMAX状態。

皆の平均額は一万五千円―皆おこづかいを使う機会が無かったので結構貯まってたんだ。

友達はゲーセンにはいった瞬間にプリクラの方向に真っ直ぐ歩いてった。

俺はその行動を見て(コンパスみたいな動きをするなぁ。)と思って笑っていた。

そしてプリクラが数台固まっている場所に来たら、俺は迷わず真ん中のプリクラ機の中に入った。

その時、何と例えたらいいか言いようのない恥ずかしさが胸を刺した。

何と、中には人がいた!

しかも女の子!

ついびっくりして「うわっ!!」と声を上げてしまった。

俺は恥ずかしくなってすぐに飛び出た。

プリクラ機の外に出た瞬間に友達に爆笑された。

予想はついてたけどこんなにも笑われるとは思わず、その場から逃げ去りたい気持ちだった。

しかし友達は、
「逃がさねぇぞ。」
「プリ撮るのはここで決定だな!」

とその場から離してくんなかった。

そしてそのまま待っていたら中にいた女の子二人が出て来た。

俺は恥ずかしながらもその二人の顔を見上げた。

その瞬間、片方の女の子と目があった。

その女の子は俺になのかクスッと笑ってその場から離れて行った。

俺はその時初めて心をくすぐられる気持ちと、心を洗われたようなキレイな気持ちが混ざりあった。

よくわかんないけど、俺にはその人が子悪魔的な天使のように見えた。

それから数秒ぼーっとしてから輝に、
「何してんだ!早く撮んぞ!」と言われ、急いでプリクラ機の中に入った。

まさかあの時から運命のカウントダウンが始まってるとは思っても見なかった。―――
< 4 / 27 >

この作品をシェア

pagetop