deepdeepdeep 夜の帝王との秘密な関係 ~わたしは生徒で、彼は先生で~
 
 「行ってきます。」

今日は、先生より一足早く家を出る。

ゴミを出して、さぁ登校って時だった。


 「聖也・・・」

わたしの名前を呼んで、肩を掴む。


振りかえらなくても声だけで分かる。

 「お父さん・・・」

なぜだろう。
うれしいとか、感動とかそんな感情はこれっぽっちも感じなくて・・・

まるで、暗い闇を思いださせるように、恐怖と不安そして悪寒が全身を駆け巡る。


振り向くことができなくて・・・。


 「聖也・・・」

掴まれた肩が痛い。


 「イヤ――――――――――!! 」

何でだろう。
なんで叫んでしまったんだろう。




次の瞬間、お父さんは地面に転がっていた。

先生はわたしを背中に隠す。


全身から湧きあがる震えを止める事は出来なくて・・・



 

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