deepdeepdeep 夜の帝王との秘密な関係 ~わたしは生徒で、彼は先生で~
「聖也ちゃん、お正月はどうするの? 」
「ここで働かせてください。」
「本当にいいの? こっちはその方がすんごく助かるけど実家でご両親待ってるんじゃないの? 」
「だいじょうぶです。」
「そう・・・。 助かるわ。 寸志弾むから頑張ってね!! 」
「はい。」
奥さんの気遣いも、わたしには必要ない。
わたしを待ってる家族なんていないのだから。
わたしは、働いていたかった。
働いている間は何も考えずにいられたから・・・
温かいこの民宿で、お客様を幸せにする。
そして、わたしもこの民宿で家族ごっこなんてしてみたりする。
旦那さんがお父さんで、
奥さんがお母さんで、
そして誠君がお兄ちゃん。
温かい幸せな家族。
その中にわたしがいる。
そんな想像をしてみたりする。
わたしが望んでも手に入れる事の出来なかった温かい家庭がここにはある。