deepdeepdeep 夜の帝王との秘密な関係 ~わたしは生徒で、彼は先生で~
『瑠璃!!』
先生がわたしを呼ぶ。
わたしのもう一つの名前。
何で???
顔を隠しながら泣くわたしをペロペロと舐めまわす。
顔を上げると、まんまるい目でじっとわたしを見てる。
尻尾は今にもちぎれそう。
「瑠璃、飛び出したらいけないだろう。」
先生は、ワンコに近寄ると抱きかかえる。
「瑠璃って。」
「こいつの名前。 深海がなかなか決めないから俺が決めた。」
「それって・・・。」
「良い名前だろう?」
先生がちょっと照れくさそうに笑う。
「立てるな。」
先生が手を差し出す。
「先生、わたしの手・・・お父さんを・・・」
「わかってるから。何も言わなくていいから。 帰ろう。俺たちの家に。」
先生が、わたしの手をおもいっきり握りしめてくれる。
肩から力が抜けて行く。
久々に包まれる先生の甘い香り。
涙が止まらなかった。