deepdeepdeep 夜の帝王との秘密な関係 ~わたしは生徒で、彼は先生で~
そう、あの年俺は初めて教師として校門をくぐった。
〝親に反発したかった。〟
教師になる理由の一つだ。
軽率な理由かもしれない。
それでも、俺には十分な理由で、がむしゃらに教師になることだけを胸に勉強してきた。
そして、俺は教師としてこの高校に赴任した。
初めて受け持ったクラスに大藪はいた。
ちょっと、控えめでどちらかといえば目だたない。
それでも、大藪は学級委員の小峰たちのグループに所属していた。
面倒見が良くて、誰からも慕われる小峰。
俺は、そんな小峰がそばにいてくれるんなら、大丈夫だって勝手に思い込んでいた。
大藪が、どんな思いで、一日一日を過ごしていたかなんて考えることもなかった。